今回のセミナー、一線で活躍されている方々の舞台裏が生々しく語られました。Togetterにまとめがありますが、完全非公開の内容が多く、気になる方は多くいらっしゃるのではと予想しています。再演の機会があれば、どこかでお披露目できるのかもしれませんね。

ここでは私が発表した内容についてのポイントと、全体を通しての内容について振り返ります。

数値化&洗い出し

システム導入が必要となり、エンジニアと協業する時のポイントについてお話ししましたが、その中で一貫して重視したのは、数値化&洗い出しでした。

何かを実現するに当たって「定期的に」「なるべく」「おおよそ」等といった、あいまいな言葉を含んだ状態は決まっていないのと同じという考え方です。

極端に感じるかもしれませんが、人がよしなに動かしていたものを、言われたとおりにしか動かないコンピュータに任せるためには、その下準備が重要になってきます。

要件と要望は違う

ソフトウェア開発の世界では、なにかを作るために必要なものを明確にしていくプロセスを要件定義と言います。よくある失敗として、できあがったものが思っていたものと違うというケースがあります。これは、要件と要望を混同することによる双方の認識違いが原因のほとんどです。

要件は必要不可欠なもの。要望は願いではありますが、なくても問題ないものです。要件を具体的にし、関係者間で認識を一致させていくために、数値化&洗い出しという観点は少なからず助けになると思います。

人の行動をコンピュータの処理に置き換えていくために、様々なことを具体的にしていかなくてはなりません。それはシステムに限らず、Webデザインの世界でも同じであり、ディレクションの一部として必要不可欠だと思います。

ディレクションには「軸」が必要

講師陣それぞれに、ディレクションする際に基準となるが存在していました。何を実現するのか、何を得意とするのかはバラバラです。しかし、軸があることで目的を見失わずに済んだり、比較したりすることができるようになるのだと思います。

私がそれぞれの講師から学んだ軸としては「気遣い」「共有と可視化」など、他にも色々とありましたが、なぜその軸を大事にしているのかを聞けたことが大きかったと思います。思いつきで軸ができたわけではなく、失敗や成功の積み重ねで得た教訓ですから、自分の今後に落とし込んで検証する必要があります。

早速、いくつか試してみたいなと思ったもの、参考となる気になっていた書籍などが出てきたので、また色々と吸収できるようにしていきます。自分にとっても、暗黙となっていた部分を整理する良い機会となりました。