今後のスタンスを考える機会

技術と戦略という2つの要素がメインですが、どちらがなくとも成り立たないものと思います。個人的なスタンスとしては、開発者・制作者は「作れて当たり前」、それが価値であり存在意義のひとつと考えています。

システム開発者として色々と考えさせられることがあり、いくつかの転機を経て、料理研究一家「古川家」としての活動を軸に据えることになりました。

「作れて当たり前」だけれど、それだけでも通用しない状況に変化していく中で、自分を棚卸しして戦略を立て直すというのは、自然な流れです。

独立当初からスタンスはさして変わっていない

2008年にフリーランスのプログラマーとして活動をし始めてから、スタンス自体は変わっていません。経験を積んで、確信できることが増えてきました。

これだけ流行廃りが早い業界なので、変化と安定という観点から不安になる人も多いと感じているのですが、変化し続けることを受け入れることが大切と考えています。

変化といっても、状況に流されていてはSNS疲れや勉強疲れを起こすだけです。どういう軸で生きていくつもりなのか、まず一個人としてどうあるべきかを問われているように思えてなりません。

変化し続けるという安定

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古川家から見える3つのキーワード

担当したセッションでは、まず「戦略」として、なぜ古川家をはじめようと思ったのか?について共有。

その後、古川家の価値観として3つのキーワードを抽出し、それを実現するために使用しているツールや技術を紹介するという構成で進めました。

”くらし”を”なりわい”に

家族という日常を続けながら、この社会で生きて行くには稼いでいくことは避けられないでしょう。日常、つまり暮らしをコンテンツとして食べていけるように舵を切ってしまえば、暮らすことそのものが生業になります。

もちろん、家族の理解は大事ですし、よくある家族営業とも少し意味合いが違うので、周りの理解も得ていかなくてはなりません。古川家は「食と家族」を切り口に新しいマーケット、居場所を自分たちの手で作ろうと考えています。

食は「非言語コミュニケーション」であり、家族は「人類最小のコミュニティ」。

暮らしに集中するために、大事なこととはいえ作業はなるべく手短に済ませたいもの。最初は「今日の古川家ごはん」として、Facebookページで日々の食卓を公開しました。

暮らしの見える化としては、よくある方法なのですが、自分たちなりの工夫を重ねる中で企画・プロデュースのお声がけをいただいたり。

Webサイトはもはや名刺代わりですが、いざ自分たちのとなり、必要になったタイミングも急だったりすると突貫工事が必要です。そこで採用したのは下記のツール群。

とりあえず立ち上げるに当たって、色々な選択肢はありましたが、できるとはいえ言語や文法のちゃんぽんは効率を下げます。言語(このときはRuby)・文法・設計概念などが揃っていれば、スピードはかなり上げられます。

専門家から兼業家へ

エキスパートという言葉は憧れを抱きますが、技術もツールも手段であり、目的達成のためにどう取捨選択をするべきか?という決断には、幅広い知識やスキルが必要です。

100点と20点より、70点を2つとれば総合力は上回ります。

自分がエキスパートには向かないと割り切り、その上でどうやって結果を出していくか?という問への自分なりの回答です。その代わり、あらゆる知識やスキルを少しずつ底上げするには時間がかかります。

それでもいいのです。暮らしを生業にした以上、一生をかけて高めていけば良いのですから。

とはいえ、兼業が増えれば増えるほど、仕入れるべき情報もアウトプットも多種多様になります。そういった状況では、整理しながら情報収集できたり、下書きしながら清書できたり、一石二鳥以上の効果を持つツールで武装していく必要があります。

Twitterのタイムライン(#megamix2015 – Twitter検索)でMouの代替アプリも紹介されていました。

1つ以上のチャレンジを

古川家は基本的に自分たちで企画から何から全部を手がけます。

だからこそ、いつもチャレンジが生まれるのかもしれません。すべてをいつも通りではなく、1つだけでも未知の領域があると、これまでの経験もゼロベースで考え直したり、良い棚卸しになったりします。

それまで「これが1番」と思っていたツールも、時代とともに進化したり、シェアが変わっていたります。新しいことを始めるときは、改めて調べ直す良い機会かもしれません。

古川家の場合、メンバーの得意分野は当然違います。すべてではないにしろ、前提知識や場所を問わず利用できるツールは重宝します。

まとめ

ツール・技術は料理で言うと包丁がそれにあたります。ですが、包丁1本で料理にまつわるすべての工程をまかなっているか?と言われると、まったくそういうことはありません。

適材適所の使い分けが必要です。また、せっかく研ぎ澄ました技術も、振るう場所がなくては意味がありません。今はその技術を振るう場所を、自分で作ることもひとつです。

私自身、プログラマーとしての開発業務は今のところ辞める気もなく、古川家とのバランスを調整していくスタンスです。
多種多様な知識や経験を蓄え、担っていることそれぞれで循環していくサイクル作りをできるように取り組んでいきます。

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