10/2(金) 青森国際ホテルで青森県庁主催のWebマーケティングセミナーの第2回目に参加してきました。
今回の講師はdct-design代表 蝦名晶子さんInternet Strategy代表 角掛健志さんのお二人。

特に角掛さんとはCSS-Nite in Aomori 2009以来で、色々な意味で相変わらずのようで安心しました。
それぞれの内容について概要と雑感を。

第1部 設置方法、見方、活用方法等がわかる『アクセス解析のキホン:ユーザの動向を知る!』
講演者:蝦名さん

概要:

アクセス解析の必須ツールであるGoogle Analyticsの設置、利用方法を具体的に紹介。
サンプルとして青森県庁のアクセス分析の結果を利用。
製作発注者、Web管理者向けに基本的なGoogle Analyticsの使い方、アクセス解析に置いて注目するべきポイントを解説。

雑感:

アクセス解析を使いこなしていると言える製作発注者、Web管理者はどれだけいるでしょうか?
製作者からすれば既知の内容かもしれませんが、製作者自身、Google Analyticsの導入を提案したとして、基本的な使い方だけでなく、クライアントの性質に合わせた適切な解析項目の洗い出し、運用のガイドラインを提供できているかどうか等、今一度、振り返ってみることが必要と思いました。
ページビューやユニークユーザ数といった分かりやすい項目に比べ、サイト滞在時間をはじめ、目標値の設定方法と言ったところまで、提案した製作者が指導して行かないと宝の持ち腐れになるでしょう。

的確な現状分析あってこそ次の一手が生きるという意味では、分析手法とクライアントの業態をどう結びつけるのか?結びつけてどう測定するのか?測定結果から何を導きだすのか?といった過程を製作者は分かりやすく説明できるようにならなければと思います。
自分も見直しが必要です。

第2部 サイトリニューアルは利益を追求する!
講演者:角掛さん

概要:

サイトリニューアルの定義と進める上でのポイントについて解説。
参加者に向けて事例を利用してのワークショップを行い、グループごとに結果を発表。
それに対する評価と実際のリニューアル結果を公開、解説。

雑感:

CSS-Nite in Aomori 2009でのセッションでは、リニューアルの持って行き方として、そんなアプローチも考えられるのかと、いつの間にか自分の凝り固まっていた考え方をほぐされる感覚でした。今回もそれを期待していましたが、予想よりずっと楽しく、のめり込むことができました。

目的の達成が大事なのであって、手段のために目的を選んではならないというのは、その通りだと思います。
また、リニューアルという言葉の定義は「問題の解決」であるとしたのは共感できました。全面的なデザイン、コンテンツの入れ替えをリニューアルと捉えるのではなく、マイナス要素となっているポイントを的確に解決すること、少し改善して、また計測して、分析してまた改善してというサイクルを繰り返すのだという話は、システム開発も一緒だと思うばかりでした。

個人的に印象に残ったのは、報酬についての考え方です。時間給などで考えるのではなく、発生する作業を投資と考え、回収する利益から適切な金額を導きだすというアプローチです。システム開発の業界で人月という悪しき習慣が有るのですが、結局の所、自分たちの開発内容についてその投資効果と、システム導入先においてどれだけの利益をあげることになるのか、計測できていないために人月という時給計算もどきのどんぶり勘定になっているのだと再確認させられました。

日々の業務から、どれだけのコストが発生し、システムでどれだけ「儲けさせられるのか?」という側面をおざなりにしてきた報いなのだろうと思います。計測作業というのは思いのほか大事で、組織の大小に関わらず、日々の計測ができている組織は少ないと思います。個人も然り。
今後のクライアントとの折衝で、そういった視点を押さえて行きたいですね。

今回のワークショップは、角掛さん曰く「相当いじわる」ということでしたが、蓋をあけてみると思いのほか角掛さんの答えと近いものが多く、角掛さん自身も驚かれたようでした。
といっても、お題に対する現状分析が非常に的確なものなので、考える側も取っ付きやすかったというのが本当だと思います。
要求の聞き取り精度が高いかどうかでその後は決まってしまうので、そういう意味では角掛さんの手の平の上だったかと。
角掛さんは「企画」という言い方、私は「要件」という言い方をしますが、どちらも本質は一緒です。

改めて自分が今後、学ぶべき知識の指標もできたので、非常に有意義でした。