風景以上に変わるのは自分

カルチュアロードを訪れることは初めてではない。前回は娘を連れて、家族3人で初めての参加だが今回は2回目。恒例イベントとはいえ、毎年趣向を変えた催し物を見ていると、周りよりも自分の変化を一番感じた。

見る視点が、やはりその時に自分が最も注意を向けているものを中心に考えるようになっている。つまり前回に引き続き今回も娘。前回だと、まだベビーカーでの移動だったので段差や人ごみを避けることに終始し、娘の機嫌を伺いながらもあって普段に比べると余裕は少なかったと思う。

だが今回は娘も1歳半。自力で歩けるし、前回よりも周りに関心を示す。人に会うのも成長を見せたくて楽しみに感じる。加えて自分の目が行く先も、今の娘が興味を持つもの、体験できるものを中心に関心が向く。自分が楽しむと言うより、娘ありきで自分を後から加えて一緒に楽しむような感覚。

恒例のものこそ切り取り方を変えて楽しむ

青森県弘前市、地元民でありながら非常に魅力あるコンテンツにあふれた街だ。その風景を様々な角度から切り取るTEKUTEKU(テクテク)という情報誌がある。その編集メンバーとして関わらせてもらう中で、企画会議で思うのが切り取り方の重要さ。都会に比べると生活サイクルがゆっくりな弘前では、目新しいものがポンポンと出てくるとは限らない。日夜、様々な仕掛けをしている方々はたくさんいるものの、通年あるものとなれば限られてくる。

お馴染みというのは、飽きられるというリスクを抱えている。それでも、企画という形で切り口を変えてみると、また新たな発見をもたらしてくれることが楽しくてたまらない。人それぞれに楽しんでいる、その人にしか見えていない世界を垣間見る。非常に刺激になる。

今の切り取り方を自覚すること

これだけ多様な人間が多様な世界を創り上げているのに、ただ見過ごすのはもったいない。自分はどういう切り取り方で世界を眺めているのか、今の立ち位置が見えると楽しくなる。今までと比較したり、これからを期待したりと自分に変化を与えられる。これから、紅葉の季節が来る。毎年のことなのに飽きない。また新鮮な気持ちで眺める切り取り方を考えておこうと思う。